仲間と共に歌を届ける!企業に勤めながら、NPOとして地域貢献、被災地支援にも力を注ぐ/山川 倫子(やまかわ のりこ)さん《ライフシフターNo.31》

プロフィール
・オムロン株式会社勤務
・NPOダイアログ・ネット所属

大阪府在住。会社の軽音楽部でロックバンドのヴォーカルを担当していたが、コーラスに興味があったため、友人に誘われて2000年にゴスペルの体験レッスンに参加。講師でありゴスペルシンガーのTAEKO GLORY氏と出会う。その後、TAEKO氏のゴスペルスクールへ毎週通うようになり、2005年、TAEKO氏の呼びかけでNPO法人ダイアログ・ネットを設立。歌で目の前の一人を励まし讃える!を合言葉に大阪・東京・浜松で歌のボランティア活動を展開。東日本大震災後は「心の復興支援プロジェクト」を立ち上げ、毎年各地でチャリティコンサートを開催するとともに、地域の福祉施設を訪問し励ましの歌を届けている。

座右の銘:最もよく人を幸福(しあわせ)にする人が最もよく幸福となる。(立石一真)
影響を受けた映画:SISTER ACT(邦題:天使にラブソングを)

http://dialogue-net.org/
https://www.youtube.com/watch?v=kBVc9qKaQ5I

毎週仕事終わりに大阪市内で開催されていたTAEKOさんが講師のゴスペルスクールへレッスンに駆け付け、クワイア(choir:ゴスペル音楽を歌う合唱団)仲間とともに楽しく歌っていました。
レパートリーが増えると週末にはTAEKOさんと一緒にイベントに出演させていただいたり、大阪厚生年金会館大ホール(現在のオリックス劇場)でのTAEKOさんのコンサートで1500人の聴衆を前に100人のクワイアで歌うという貴重な経験もさせていただきました。

応援に駆けつけてくれた職場の同僚たちは「仕事中とは別人!キラキラしていて本当に素敵!」と言ってくれました。またTAEKOさんは阪神淡路大震災の被災地でのイベントにクワイアを連れていってくださり、私たちの歌が傷ついた人々の心を励ますパワーがあることを教えてくださいました。

お客様側から主催者へ。NPO法人の理事となる

その後、2005年に、TAEKOさんがメジャー再デビューのため上京されることになり、関西に残るクワイアに対し、「 私たちの歌を聴いて励まされる人がいるということは、 あなたたちが自覚しているか否かに関わらず、もうあなたたちには使命があります。歌で社会貢献をするNPOを立ち上げましょう。クワイアだけで施設に訪問するなど、活動の場を自分たちで広げてください」と提言してくださいました。

「NPOってなに?どうしたら作れるの?」と、なにもわからないまま、しかしこのクワイア仲間の絆を守りたいという一心で、“スクール生徒=お客様”側から“、スクールやイベントを開催する団体=主催者”側になる決心をし、クワイア代表者としてNPO法人ダイアログ・ネット設立時の理事を務めることになりました。

NPO法人ダイアログ・ネットの活動を会社の同僚に伝えると、一緒にボランティアで歌いたいという賛同者が30名以上集まり、会社公認のゴスペルクラブ「オムロン ハートフルヴォイセス」を設立しました。
ダイアログ・ネットとともに、社会福祉法人太陽の家開催の夏祭りにボランティア出演、続いて大分国際車いすマラソン大会開会式でパフォーマンスし、以降10年以上も継続して出演させていただいています。東京・浜松でも各地の地域に密着したボランティア活動を継続中です。
また2016年にオリックス球団より公式戦前の国歌斉唱オファーをいただいたことがきっかけで、「一般社団法人日本パラ陸上競技連盟」への支援のため、国歌斉唱プロジェクトを開催し、障がいを持つ人々の様々な挑戦にエールを送っています。

志を同じくしたメンバーとの歌は、かけがえのない宝物

ライフシフト前、つまりスクール生だった時代は、不特定多数の人とその場その時を楽しみ歌っていました。ダイアログ・ネットの志を同じくしたメンバーで歌った歌は、目の前の人の心に響き、感動の涙と笑顔を見させていただくことができるので、これ以上の達成感や充実感は味わえないかけがえのない宝物です。

東日本大震災発生2か月後、物資と機材をバスに積み込んで石巻市湊小学校へ駆けつけ、被災者が避難されている校舎に向かってグランドで歌いました。寒い日でしたがライブが始まるとひとつふたつと窓が開き、最後にはたくさんの方がタオルを振って声援してくださいました。今でもあの時のみなさんの笑顔を思い出すと勇気がみなぎり、私たちの活動は間違っていないと再認識できます。

地域貢献、被災地支援を軸に活動を継続していきたい

これからも、私たちの活動に賛同して、一緒に歌いたいと言ってくださるみなさんと共に、地域貢献活動、被災地支援活動を軸として、歌を聴いてくださる方のもとへ駆けつける。それを地道に継続していきたいと思います。もちろん歌唱レベルももっと向上させたいと思っています。

今回、ライフシフターインタビューのお話をいただいたとき、「転職も起業もしていないのにどうして私がライフシフターなんですか?」と聞いてしまいました。「企業に勤めながら、サードプレイスをみつけてNPOとしてボランティア活動をし、しかもその活動を会社や同僚が支援してくれているなんていう人財はめずらしい。“転職・起業なんてできるのは超人。そんなチャレンジ私に到底できないわ”という人たちへの気づきになります」と説明していただき、初めてライフシフトの意味を理解できました。

私の場合、ライフシフトの決断は突然やってきました。しかし、TAEKOさんのご指導のもと築き上げた「だれのために歌うのか」というぶれない目的を共有し、ボランティアで歌う準備ができていた、信頼できる大切な同志たちがいてくれたので踏み出すことができたのだと思います。

私たちの歌う復興支援ソング「ひまわり」の1フレーズには“♪私にできなくてあなたにできること 足りないものがみんなあるからだれかを思う愛になる♪”とあります。
“あなたにできること”がみなさんにも早くみつかりますように。