好きなことは「アートや伝統工芸、ファッション、香り」。夢中になれる仕事をしたいと転職を決意/小川 美里(おがわ みさと)さん《ライフシフターNo.008》

プロフィール

・有限会社小倉クリエーション 広報兼法人担当

福岡県北九州市在住。39歳。1児の母。2002年に医療法人寿芳会芳野病院へ人事労務担当として入職。物流、秘書、WLB&ダイバーシティ推進室、広報を経て、最後の2年半は総務課長を経験し、転職。2016年に現代の小倉織ブランド「小倉 縞縞」を取り扱う有限会社小倉クリエーションに、広報兼法人担当として入社。企業・団体の窓口としてノベルティなどの制作や、広く知っていただくための広報活動を担当している。
座右の銘:「The special secret of making dreams come true can be summarized in four C’s. They are Curiosity, Confidence, Courage, and Constancy.」夢をかなえる秘訣は4つのCに集約される。それは「好奇心」「自信」「勇気」「継続」である。
ウォルト・ディズニーの言葉を手帳に書いて、時々読み返します。
http://shima-shima.jp/about(「小倉 縞縞」公式サイト)
「小倉織」について:
江戸時代初期から豊前小倉藩(福岡県北九州市)で袴や帯などとして織られ、多用した経糸が色のリズムを生む、立体感あふれるたて縞が特徴。かの徳川家康も愛用した、丈夫でしなやかな質感の木綿布は日本全国で珍重されていた。明治時代には、文明開化の波のなか男子学生服として霜降りの小倉織が、新たに全国に拡がったが、残念なことに、戦時下の昭和初期に一旦途絶えてしまう。それから数十年後、染織家 築城則子氏が、偶然に出会った小さな布の断片から二年近くの試行錯誤を繰り返し、一九八四年に復元され、現代の布として再生。

前職の医療法人寿芳会芳野病院には、人事労務担当として入職し、物流、WLB&ダイバーシティ推進室、広報を経て最後の2年半は総務課長を経験しました。在籍していた間に病院は個人から法人へ、病院機能評価(外部機関からの評価)を受審、100周年を迎えたりと大きな変化がいくつもあり、貴重な経験をさせていただきました。

繁忙期の残業はあったものの、ほぼ毎朝8時半~17時半の定時で帰宅。オンとオフのメリハリもついていて、WLB(ワークライフバランス)に大変理解のある上司や仲間でしたので環境については本当に理想的だったと思います。唯一、“自分が本当にしたい仕事(業界)なのか”、という点でジレンマがありました。

好きなもので夢中になれるくらいのものを仕事にしたい

前職時に掲げていた目標を3つ(担当している仕事でNo.1になること、仕事で海外へ行くこと、管理職を経験すること)ともクリアした時、将来どんな風に生きていきたいかを漠然と考えました。これからの人生、どんな仕事をしてどう生きたいのかと想像し、これまで“仕事とプライベート”を“責任と好きなもの”とではっきり分けていたのですが、仕事=好きなもので夢中になれるくらいのものを仕事にしてもいいんじゃないかと思うようになりました。

ちょうどその頃、尊敬する方から「来年、Global Summit of Women(女性版ダボス会議と言われる国際会議)がポーランド(ワルシャワ)であるから一緒にいかない?」と誘われたのです。翌年、実際にワルシャワに行ってみて、国籍も言語も文化も多種多様だと肌で感じ、視野が一気に広がりました。
退職の意向を上司に伝え、夢中になれるものを考えたとき、アートや伝統工芸、ファッション、香りの3つが浮かびました。実はその3つの好きなメーカーに応募し、全て書類審査をパスして面接の機会を得ていたのですが、日程調整の段階で現在の社長の顔が浮かび1社に絞りました。もともと大好きな小倉織のアイテムを愛用していたことも大きく、メンターへ相談して進むべき道にアドバイスをいただいたことも影響しています。

その後、2016年9月、現代の小倉織ブランド「小倉 縞縞」を取り扱う有限会社小倉クリエーションに、広報兼法人担当として入社しました。企業・団体の窓口としてノベルティなどの制作や、広く知って頂くための広報活動を担当しています。基本的には前職時代と同じようにほぼ9時~18時の定時で帰宅でき、娘と一緒に料理やお菓子作りをしています。今のうちに娘との時間をたくさん作っておき、思春期に入っても何でも話せる関係でいられたらと思っています。

娘から「毎日とっても楽しそう」と言われるほどに充実

転職を決めたことに対して、実家の母からは「安定してるのにどうして?」と何度も聞かれました。「好きなことを仕事にしたい」という答えを理解してもらうのに時間がかかりましたが、都度「今度こんなことやるんだよ」と仕事の展開の報告を繰り返したことで、今はブランドのいちファンとして友人にもすすめてくれるほどになりました。掲載されたメディアの影響も大きかったと思います。

一方父は「自分の人生だから。娘を養えるんだったら転職もいいんじゃない?」という見解でした。娘もはじめのうちは転校に複雑な思いをしていたようですが、転校初日から登校してくれる友人を見つけ、2日目には私が一緒じゃなくてもいいくらいで。今では「前の学校と今の学校でお友達も倍になった」なんて言ったり。娘の性格に、助けられています。

ライフシフトしたことで住む場所も生活も一変しましたが、娘から「毎日とっても楽しそう」と言われるようになりました(笑)。それまでも充実していたのですが、楽しさという面では確かに業界が異なるため違っていたかもしれません。

また、ライフスタイルにおいては、今年大きな変化がありました。家事の効率化という意味でもミニマムライフの実践をはじめたのです。春に断捨離をして本当に必要なもの以外を手放したのですが、その量は大きなゴミ袋で15袋! 大切なものだけに囲まれる生活は想像以上に快適で、家事にかかる時間も大幅に削減できました。家事に時間がかからない分、気持ちにゆとりが生まれ、プライベートな時間もより楽しめるようになりました。特に何でも話せる友人たちの存在は大きく、いつも刺激と勇気をもらっています。

「日本の縞(ストライプ)といえば、小倉 縞縞!」を目指して

現在、「小倉 縞縞」を広める広報活動を行っていますが、社長の言葉の通り、「日本の縞(ストライプ)といえば、小倉 縞縞!」と言われるように、国内外で知られ、愛用していただけるところを目指しています。もともとはテキスタイルからスタートしていますが、今では生地という枠を超え、縞のデザインを展開し、小さなアイテムから空間まで様々にご利用いただいています。この1年で何度かコラボレーションもさせて頂きました。例えば地元の極東ファディさんは私自身が大好きな企業さんで、“何か一緒に面白いことが出来たら”そんな想いからワクワクしながらミーティングを重ねて実現しました。こんな想いや時間を共有させて頂けるのは、本当にありがたいことです。

そして「小倉 縞縞」は、今年の5月、日本で初めて、東京で開催されたGlobal Summit of Women2017で日本から出展している10ブースの1つに選んでいただきました。国内外から参加された方々が弊社ブースのパネルをご覧になって「SHIMASHIMA !」と口にして下さるのを目の当たりにし、興奮しました。北九州市から日本、世界へ、ストライプの世界観を感じていただきたいです。

今の時代、どこにいても仕事をするのは可能だと思います。「どこで仕事をするか」より「どんな仕事を誰としたいか」。自分にとっての幸せは何か、内なる声に耳を傾け、自分の力を信じて夢中になれることにチャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。